google-site-verification: google0d9076928c785236.html

大阪暮らし ぼちぼちいこか

大阪に住み始めて7年めのきーちゃんが綴る大阪での日々のことあれこれです。

介護のはなし3 デイサービス見学

 

www.osakagurasi.com

 

初めてのデイサービス見学 

 介護保険の認定もおりて、ケアマネさんも決まって、ひとまず、ヘルパーさんにも入ってもらうことが決まって、デイサービスにも行けたらいいねということで支援センターの人が紹介してくれたデイサービスを見学に行くことにになりました。

 お義母さんはものすごく用心深い。知らない人は玄関でシャットアウトだ。

 そしてお金がかかることは嫌い。これは後で気がついたが節約とかではないのだ。お義母さんが欲しいものに関しては浪費傾向だ。でも、デイサービスに通うお金は払いたくないと思う。

 自分が高齢者だとはこれっぽっちも思っていないから、お年寄りが通うデイサービスに自分が行く必要はないと思っている。お義父さんをデイサービスに行かせていたけれど「あんな年寄りの行くところ!私は行かないわよ」という認識だ。

 見学に行くにあたって、デイに行きたくないお義母さんと、後々のことを考えて、行って慣れておいて欲しいと思う周囲の気持ちは、当然合わないので、お庭のお花のアドバイスをするという名目で行ってもらうことにした。

 そして「あなたもついてきてね」と言うお義母さんの希望で、私も同行することになった。

 お義母さんはお花が好きで庭仕事は得意だと、本人は思っているが、現実にはお花がスキというより、お花が好きなあたくしがスキ!みたいに思える。

 本当は庭仕事が好きだったのかもしれないが昔のお義母さんのことを知らないので、今現在、その行動を5月から今まで見てきた限り、庭仕事がスキそうには思えない。

 まぁ、本人がそれで納得できたなら、とりあえず今回は見学だし、そこから徐々に慣れてもらえればいいと思った。

 

プロのお仕事

 施設は新しくてとてもキレイだった。ここでデイの楽しい印象が残れば、また行きたい、行こうかなという気持ちになってくれるかもしれない。

 ぐるっと説明を受けて、けっこうお義母さんも楽しそうだった。ここまでは良かった。お庭に置いてあったガーデンテーブルとイスもとても気に入って、「これちょうだい!」と言うくらいだった。

 が、30分くらいたっただろうか、施設の人が私にこそっと近寄ってきて「帰ってください」と言う。

「え?大丈夫ですか?義母は私に一緒に居てねと言っていましたけど」

「大丈夫です!私たちは介護のプロです!まかせてください」

「?え?本当に何も言わずに帰っても大丈夫なんですか?」

「私たちは介護のプロですから!大丈夫です」

「プロ」にそう言われては「家族」の立場で、しかも実務者研修までしか受けてない、介護福祉士も持ってない、最近知りあった嫁の立場では言われるままに帰るしかない。

 こっそりと帰った。

 そして不安は的中した。

 その日にデイの責任者から電話をもらったが、途中で帰りたいとおっしゃったので靴を隠しましたとの報告を受けた。デイの感想はお義母さんに電話で確認してほしいと言う。

 あれ?電話で?・・・お義母さんめっちゃ耳遠いんですけど。電話なんか全然使えないんですけど。

 一日介護していたら気づくよね?あれ?どうしたプロ。利用者の情報っていってないのかな?

 靴を隠すのは「拘束」にはならないの?教えてプロ。別に責めてるわけじゃないし、しょうがないと思うよ。足腰達者な認知症の高齢者だと職員の手をとられてしまうから、外に出ないように、勝手に帰らないように、靴隠しはしょうがないよね。ずっと一人に付き添っていたら仕事回らないものね。気持ちはわかるよ。だけどね・・・。

 モヤモヤしたけど何も言えなかった。

 私が勤めていたデイでは見学は家族さんも一緒で、希望すれば家族さん分のご飯もおやつも準備していた(もちろん実費だが)。だって、家族さんが一緒に一部始終見学しても何も困ることはないし、たった一人きりでは初めての利用者さんは不安だろうし、職員もおおよその情報は知っていても実際の様子を見て知ることは大事だ。だからお風呂こそ入らないけど、一日まるまる見学してもらえる。施設の考え方はそれぞれだけど、あのデイは何か見られて困ることでもあるのだろうか。

 いろいろなことを呑みこんで、お義母さんの耳が遠くて、電話が使えないことを伝えて、明日行ってみますと答えた。

 

激おこお義母さんと反省

 嫌な予感がしながら、翌日お義母さんのところへ行った。

・・・激怒していた。

「なんで帰った!?」

「どうして帰った!?」

警察騒ぎからここまで築いた新嫁の信頼ガラガラガッシャーン!と崩れた。

「施設の人に帰って下さいって言われたから、帰ったよ」

「あそこの人たちは私の靴を隠しておきながら、知りませんって言ったのよ!帰る時間になったらしれ~っと靴持ってきたのよ!どうして帰った!?」

「家族さんはお帰り下さいって言われたから、それよりお昼ごはんは美味しかった?」

話をそらしながら、お義母さんの怒りをやり過ごすしかなかった。

 お義母さんは認知症だろうと思われるけど、面接した市の人も「まだらかなぁ?」と言ったように全面的にわからなくなってたり、短期記憶が全然働かないわけではない。

 ごめんね、お義母さん。不安だったよね。知らないところに突然一人にしてしまって。お義母さんが怒るのはわかる。「プロ」の意見なんか振り切ってしまえばよかった。介護についての考え方は人それぞれだと思うけど、「プロ」さんの介護のやり方には不信感。

 どうせ、わからないだろうと、忘れてしまうだろうと安易に考えてる気がしてならない。

 もう少し、私の考えを強く言ってもよかったのかもしれない。ちゃんと言えなかった自分も悪いのだ。もうしばらく一緒にいて、お義母さんに納得してもらって帰ればよかった。これは大反省。

 「プロ」だと押し切る態度に、「じゃあ、やってみれば」という気持ちもあったと思う。

 でも、お義母さんの気持ちを考えるなら、そこで引かずに、「盾」にならなければいけなかったと思う。ごめんねお義母さん。

 

 次の日、土曜日だったので再び、ぽーさんと一緒にお義母さんのところへ。

「どうして帰った!?」

「職員さんが帰れって言ったから帰りました。それよりお義母さん、七夕の短冊書いたんですか?」

「私は監督してただけ」

「そうですか、立派な笹飾りでしたね~」

 再びなんで帰った攻撃を別の話題でかわしながら、施設であったであろうレクレーションの話を聞いてみたりした。

 ぽーさんには事の次第を話してあるので横で苦笑い。

お義母さんの怒りは相当のようで、これは当分不信感はぬぐえないなと、私も腹が立ってきた。せっかくコツコツ築いた信頼関係どうしてくれるんじゃーい!

 嫌なことがあった感情って、細かいことは忘れてもなんとなくモヤモヤと残るものだと思う。

 きっとお義母さんの心の中には「デイサービス」に対して負の感情が残ってしまったと思う。

 難しくなりそうだと思う。これからもっと介護の手を借りなくてはならなくなった時までに、全てをさっぱり忘れてくれていることを願う。